On Immigration, Biden Attempts to Replicate a Powerful Obama Moment
激しい再選争いを控えた2012年の夏、バラク・オバマ大統領(当時)はヒスパニック系の有権者から支持を失いつつあり、「強制送還長官」と呼ばれていた。そこでオバマ氏は、何十万人もの若い不法移民を強制送還から守るために包括的な大統領令に署名した。
イリノイ州の民主党員で元下院議員のルイス・V・グティエレス氏は、シカゴ地区の自身の選挙区で、ヒスパニック系住民の一部が街頭でその瞬間を祝っていたことを思い出していた。「行く先々で、人々は『オバマに投票するつもりだ』と言っていた。神に誓って言うが、オバマ氏にとって政治的にそれくらい重要なことだったのだ」
あれから12年、バイデン氏は当時の動きを再現しようとしているようだ。
バイデン氏が6月18日、米国市民の配偶者がいる非正規滞在者への法的保護を拡大する大統領令を発表すると、民主党下院議員や全米から集まった移民の権利を擁護する指導者を含む約200人の聴衆から歓声とスタンディングオベーションが起きた。2012年にオバマ前大統領が出した若い移民のための大統領令(訳注:若年移民に対する国外強制退去の延期措置制度=DACA=の導入)から12年たつのを記念するイベントで発表することで、オバマ氏の力強かったあの瞬間を思い起こさせ、バイデン氏の提案が家族を離ればなれにしない方法であることを示したのだ。
バイデン氏は「国境を守るために、私たちがアメリカ人であることをやめなければならないとは思わない」と述べた。さらに、何世代にもわたり、移民が国に新たな活力を与えてきたとも付け加えた。「私たちは国境を守ると同時に、家族に法的な道筋を提供することができる」
- 【注目記事を翻訳】連載「NYTから読み解く世界」
バイデン氏の大統領令は、大統領選における「分水嶺(ぶんすいれい)になる可能性がまだある」との声もあります。NYTが移民の権利擁護団体関係者たちの声を伝えています。
バイデン氏が大統領令を出し…