最先端半導体の開発をめざす「ラピダス」の工場(北海道千歳市美々(びび))に22日、オランダのディック・スホーフ首相が視察に訪れた。ラピダスの半導体製造に欠かせない装置がオランダのASML社製という縁からだ。スホーフ氏は視察後、「非常に感銘を受けている」と語った。
ラピダスが導入したのは、半導体製造工程の要とされる「EUV露光装置」。これを世界で唯一つくれるのがASML社だ。
最先端半導体の分野ではいま、世界最大手で熊本県にも工場がある台湾積体電路製造(TSMC)が市場の9割を握っている。ラピダスはこれに追いつこうと、2027年度の量産化をめざしている。スホーフ氏は視察後に記者会見し、「ラピダスの稼働は(最先端半導体を)1社に頼らない『多角化』につながる」と評価。「これからは実際の製品製造が非常に重要になる」とも述べた。