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今季から背番号18をつけるオリックスの宮城大弥

 秋の仙台で流した「悔し涙の勝利」を忘れていない。

 オリックス・バファローズの宮城大弥は、素直に心の内を明かした。

 「そこは悔しい結果に終わったので、今年は投げきりたい気持ちがある」

 昨季の最終戦、10月6日にあった東北楽天ゴールデンイーグルス戦だった。

 エースだった山本由伸がドジャースへ移籍したシーズン。

 宮城は5月の試合で左大胸筋を痛めたこともあって、フルに働けていなかった。

 だからこそ、狙って、つかみにいったものがあった。

 最優秀防御率のタイトルと、4年連続となる規定投球回数への到達だ。

 そぼ降る雨のなか、先発した。

 六回まで3安打1失点と好投した。

 だが、雨は強まる。

 試合は七回表1死の場面で中断した。

 この時点で、規定投球回数まで、あと1回と3分の1イニング足りなかった。

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 最優秀防御率は、あと2回と3分の1イニングを自責「0」で抑えていたら、獲得できる可能性があった。

 しかし、試合は再開されることなく、球審の「ゲームセット」のコールが響いた。

 降雨コールドゲーム。

 7勝目となったが、二つの「獲物」はもちろん、4年連続となる2桁勝利を逃すシーズンになった。

 ベンチで恨めしそうに夜空を見やり、タオルで涙をぬぐった後、あらためて誓った。

 「勝ちにこだわって練習や試…

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