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写真・図版
名古屋学芸大・小沼亜未さん「腹鳴恐怖症」

 「腹の虫」が何の虫か知りませんが、おなかが鳴る音をカエルのキャラで表現した短編アニメ「腹鳴恐怖症」はアイデアが秀逸です。授業中にググゥ~と鳴り出して恥ずかしい!という状況を、主人公の腹からのんきな顔のカエルがひょこっと顔を出してゲロゲーロ!というアニメならではの愉快な表現に置き換えました。空腹におびえる主人公の不安と焦り、「お邪魔虫」を抑え込みたい主人公と鳴きたいカエルのあれやこれやの攻防が、ユーモラスなアニメに。作ったのは名古屋学芸大の小沼亜未さん。メディア造形研究科修了制作で、中高時代に盛大に腹が鳴って恥ずかしい思いをした体験が基になっているそうです。

 これを見たのは、東京・六本木の国立新美術館で9月26~29日に開かれた学生アニメの祭典「インター・カレッジ・アニメーション・フェスティバル(ICAF)2024」です。アニメを教える全国の大学などによって02年に始まり、毎年楽しみにしています。22回目の今年は過去最多の33校が参加し、約250本のフレッシュな作品が集まりました。

 毎年「レベル高いなぁ!」と感じるのは東京芸大大学院映像研究科。いろんな美大の卒業生や留学生が集まる「大リーグ」みたいなところです。龐雯さんの「恋愛ディスクール」は、ロラン・バルトの著書から引用した哲学的恋愛論をバックに、カフェで五目並べをするすれ違いカップル(犬猫っぽいキャラ)を描きますが、詩的なイメージの自在な遊びはアートに振り切って難解です。横長のテーブルに広げられる白紙、リンゴや雪のイメージ、これはノルシュテインの「話の話」のオマージュ?なんて思ったり。東京・渋谷のシアター・イメージフォーラムで10月12~18日に開催される「イメージフォーラム・フェスティバル2024」の「東アジア・エクスペリメンタル・コンペティション」に選ばれているので、そこでも見られます。

 東京芸大作品で一番気に入っ…

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