セコム社長 吉田保幸(よしだ・やすゆき)1958年、東京都出身。慶応大卒業後、80年に日本警備保障(現セコム)入社。戦略企画室担当部長や東洋火災海上保険(現セコム損害保険)社長などを経て、2024年4月から現職=東京都渋谷区

 カスタマーハラスメント対策を企業に義務化する法律が6月、成立しました。セコムの吉田保幸社長は、基準を超えた顧客に対しては「解約になってもいいから、我慢はするな」と社内に発信したと言います。「会社で一番大事なのは社員」と言い切り、価格を引き上げてでも人材への投資を進める姿勢も強調しています。

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 ――大阪・関西万博が開催中ですが、警備はどうですか。

 「長丁場ですが、今のところ本当に順調に行っていると思います。当社がグループ企業などと構成する警備共同事業体だけで1日1千人以上の警備員を配置しています」

 「警備員は全国から集めていますが、イベントがあるからとどこかの施設で働いている人を何人かずつ引き抜いてというのはできないので、新しく集めてくる。その人たちの宿泊施設や弁当の手配なども大変ですが、そういうことも全部うまくいっています」

 ――全国的に人手は足りているんですか。

 「人手不足は続いています。外食産業とかいろんなところの求人が多くなって、なかなか確保できない。警察や消防、自衛隊など公共部門に行く方も増えていて、私どものほうに魅力を感じてもらえるよう力を入れています」

 ――具体的には。

 「2024年度は、夜勤など現場で働く社員に対して11%のベースアップをしました。今春闘では、管理職手当を大幅に上げました」

 「昨年からグループの社員1…

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