カナダのカーニー首相（60）は23日、4月28日に総選挙を開くと発表した。カナダを関税で脅し「併合」への意欲すら示すトランプ米大統領への反発から、与党自由党に追い風が吹いており、10月までに予定していた連邦議会下院の解散・総選挙を前倒しで実施する。
カーニー氏は「トランプ大統領の不当な通商政策や、カナダの主権に対する脅迫により、カナダは我々の生涯で最も重大な危機に直面している」と強調。総選挙に向けた支持を呼びかけた。
カナダでは1月、当時のトルドー首相が支持率の低迷も踏まえて辞任の意向を表明。総選挙になればポワリエーブル党首が率いる野党保守党が勝ち、政権交代を果たすとみられていた。だが、トランプ氏の対カナダの強硬姿勢に有権者が反発。3月にカーニー氏を新党首に選んだ自由党の支持率が高まっており、総選挙では、保守党との伯仲した争いが見込まれる。
