カメムシが各地で大量発生している。果樹につくだけでなく、玄関先や洗濯物にまで――。強い臭いを放つ「嫌われ者」とうまく付き合う方法を、専門家に聞いた。
カメムシに詳しい兵庫県の伊丹市昆虫館の長島聖大(せいだい)・学芸員(44)=昆虫学=は、今春の大量発生について「昨夏、山にスギやヒノキの実が多かったことが原因で、大繁殖したカメムシの越冬が影響しているのではないか」と分析する。
平地や都市部でもよく見かける緑色のカメムシは、ツヤアオカメムシという。成虫は夏になると山で交尾、産卵する。幼虫は、スギやヒノキの実を吸って成長する。秋に成虫となり山から市街地などへ分散。冬の間に死ぬ個体もあれば、越冬する個体もあるという。
「スギやヒノキの実が少なければ、育つ幼虫も限られる。ほかに気象状況などの条件が複雑にからむので、発生量は予想が難しい」と長島さんは話す。
では、対処法にはどんなものがあるのか。
長島さんによると、ツヤアオ…