闘病について吉村大作さん(左)の取材を受ける橋本湊さん(中)と母親の仁美さん=三重県菰野町、吉村大作さん提供

 がんが見つかった父に手渡した手紙。折り合いが悪かった父子が、心からわかり合うきっかけになった16年前の自身の経験を原点に、動画ディレクターの吉村大作さん(44)=大阪市鶴見区=は、闘病家族を取材してユーチューブ番組で紹介している。14日には、脳腫瘍(しゅよう)の摘出手術を受けた三重県菰野町の中学生とその家族の心の交流をカメラに収めた。

 「自分ひとりでは怖い治療も、お母さんが付き添ってくれたから乗り切ることができた。お父さん、お母さん、大好きだよ」

 脳腫瘍を摘出する手術、それに続く放射線治療を乗り越えた中学2年橋本湊さん(14)が、母親の仁美さん(44)を前に手紙を読み上げていく。手紙は、後遺症の高次脳機能障害に悩みながらも、闘病生活を支えてくれた両親への感謝の言葉があふれていた。

 吉村さんが取材し、ユーチューブチャンネル「ほっとTV~闘病家族、心の物語」で公開された動画は、橋本さんの家族のありのままの思いを収めている。

手紙を通して伝える、それぞれの思い

 病気を経験したことで医師に…

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