南米でいまも息づく「頼母子講(たのもしこう)」は、ボリビアなどでは沖縄県での呼び方である「模合(もあい)」として伝わっています。沖縄の模合を研究してきた京都大の平野美佐教授(文化人類学)が、金融を通じたこの親睦のしくみに強い関心を持った原体験は、アフリカのカメルーンにあったといいます。詳しく聞きました。
――沖縄の模合はどのようなことをするのでしょうか。
まずグループをつくり、定期的に集まって、お酒や食事を囲んで親睦会を開きます。その際、全員が一定の金額を持ち寄り、メンバーが毎回、順番にその総額を受け取っていく仕組みです。「月1回、1万円」を集めるグループが多いです。
もともと模合は、庶民がお金を借りることが難しかった時代に、金融として機能してきました。かつては全国で同じような仕組みがありました。
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――海外にも模合があるのですか。
私は大学院生の時にアフリカのカメルーンに住んでいました。そこで、カメルーン版の模合「トンチン」に出会いました。1年間参加してみましたが、かなり真面目な会合です。
――どんなものなのですか。
毎週、100人くらいが集会所に集まります。私は100円のトンチンをしていましたが、4千円の人もいました。様々な金額のコースがあるので、集金作業が2時間くらいかかります。
居眠りすると笛で「ピー」
雑談しようものなら、警察の…