Smiley face
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小谷恵斗さん。手遊びの本で園児と仲良くなるヒントを学んでいるという=2024年12月19日午後9時21分、金沢市西泉4丁目、椎木慎太郎撮影

 小谷恵斗さん(19)は地震時、輪島市にある石川県立門前高校の3年生だった。同市の自宅は一部損壊の被害を受け、遠方に避難する同級生も出た。

 今春、両親と弟が暮らす実家を離れ、金沢市で一人暮らしを始めた。保育士を目指して専門学校に通う。学校の友達から地震について聞かれるが、どう伝えれば「自分事」に感じてもらえるか、難しさを感じる。好きなアイドルのライブに行った瞬間だけは、地震を忘れられた。

 「卒業後は絶対に輪島の保育園で働く」。その考えが揺らいだことは一度もない。実家の周辺には、カラオケもプリクラもない。でも、大切な家族がいる。父が昔の芸人のギャグを言い、「私しか分からんやろ」と母がつっこむ。弟と2人で笑う――そんな何げない日常が好きだ。

 10月には、輪島の保育園で1カ月間の実習をした。園児がけがをしないように気を張って疲れたが、子どもが笑顔で近づいてきた時、保育の道を歩んでいる実感が湧いた。「保育士になって輪島に帰り、家族と暮らしたい」と願う。

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