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北海道と江崎グリコはエゾシカ肉の消費拡大に関する協定を締結した=2024年8月20日午前10時17分、札幌市白石区、古畑航希撮影
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 北海道は、エゾシカの推定生息数が前年度から1万頭の増加となる73万頭(2023年度末)になったと発表した。23年度の捕獲数は前年度から5千頭増加し、過去最高の15万頭だった。道はエゾシカ肉を有効活用しようと、民間企業と連携した取り組みを始めている。

 農林業被害は増加し続け、22年度の被害額は48億4600万円に上った。このため道は、繁殖力の高いエゾシカについて、全体の捕獲目標のほか、メスの捕獲目標も定めているが、23年度はいずれも目標に届かなかった。捕獲数も増え、農水省によると、道内の食肉処理施設のエゾシカの解体頭数は、2万8026頭(16年度)から4万607頭(22年度)と増加している。

 道はエゾシカ肉の消費を促進しようと江崎グリコ(大阪市)と20日に協定を結んだ。同社が食品会社として培ったノウハウをいかし、エゾシカ肉を使用したシチューやカレー、サラダといったレシピを考案し、料理教室やコープさっぽろなどのエゾシカ肉取扱店舗の売り場で紹介する。

 同社担当者によると、エゾシカ肉は「鉄分が多く脂質が少ない」ため、他の肉にないメリットがあるという。今後もレシピを考案し、ホームページなどで発信を続けていく方針という。道の担当者は「今回の協定で、より消費を進めたい」と話す。(古畑航希)

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