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2024年、インドのスパイス生産地に出張した本山愛さん=エスビー食品提供

凄腕しごとにん 本山愛さん(41)

エスビー食品スパイスコントロール室

 クミンやローレル、コショウやカルダモン……。色も形もさまざまな種や葉を袋から取り出し、机に並べていく。異国の市場にいるような食欲を誘う匂いに、「香りがすごいですね」と顔をほころばせた。どれも自らが輸入を担当するスパイスだ。

  • 凄腕しごとにん

 国内スパイス市場のシェアが6割を占めるというエスビー食品には、専門知識を持つ約30人が原料調達や品質検査に携わる部署がある。その名も「スパイスコントロール室」。社内ではスパコン室と呼ばれる。

 同室に配属されたのは2020年秋。約4年半を経て、今は海外調達チームのリーダーを務める。この間に手がけたスパイスの輸入量をカレー1食分で割ると、ざっと50億食分。上司は「彼女が選んだスパイスには間違いがない。どんな粒の大きさや味、香りならお客さまに満足いただけるか、判断できる知識がある」と評する。

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エスビー食品の看板商品「赤缶カレー粉」を手にする本山愛さん。赤缶には自らが調達に関わるスパイスも含まれている=東京都中央区の同社、佐藤達弥撮影

別部署での10年、今の道支える

 輸入を担当するスパイスの産…

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