南仏で5月に開かれる第78回カンヌ国際映画祭で、最高賞のパルムドールを競う長編コンペティション部門に10日、早川千絵監督の「ルノワール」が選ばれた。
- 長編デビュー作「PLAN 75」で早川監督が問うもの
「ルノワール」は1980年代後半、日本のとある郊外が舞台。空想好きの11歳の少女が、闘病中の父と仕事漬けの母のもとで成長していく、ひと夏を描く。オーディションで選ばれた鈴木唯さんが主演を務め、石田ひかりさんやリリー・フランキーさんらが出演する。日本では6月20日に公開される。
早川監督は2022年、長編デビュー作「PLAN 75」が革新的な作品を集めた「ある視点」部門に選出され、カメラドール(新人監督賞)の次点に当たる特別表彰を受けた。
また今年の「ある視点」部門には、ノーベル文学賞作家カズオ・イシグロの作品を原作とし、広瀬すずさんが主演する石川慶監督の「遠い山なみの光」が選出された。
カンヌは世界最高峰の国際映画祭とされ、長編コンペ部門には世界の名匠の作品が並ぶ。近年の日本作品では18年、是枝裕和監督の「万引き家族」がパルムドールを受賞。23年には「怪物」の脚本を手がけた坂元裕二さんが脚本賞、「PERFECT DAYS」主演の役所広司さんが男優賞に選ばれた。
今年のカンヌは5月13日に開幕し、24日に授賞式がある予定。