カンボジア北西部で特殊詐欺に関与したとみられる日本人29人が拘束された事件をめぐり、愛知県警は20日、29人を移送中のチャーター機内で詐欺未遂容疑で逮捕した。捜査関係者への取材でわかった。県警は現地から詐欺の「かけ子」をした疑いがあるとみている。
29人はカンボジアの首都・プノンペンから移送され、20日夕方に中部空港(同県常滑市)に到着。捜査員に連れられ、警察署に向かった。
捜査関係者によると、29人は10~50代で、28人が男、1人が女。うち3人は10代の少年。逮捕容疑は、5月下旬、カンボジア北西部・ポイペトの拠点で、警察官などをかたって、関東地方の人にうその電話をかけ、現金をだまし取ろうとしたというもの。
摘発の端緒は、1月に現地から帰国した愛知県内の男性の情報提供だった。中国人の管理下で、日本人がかけ子をし、モニター越しに監視されていたなどと説明したという。29人の逮捕に向け、捜査員ら約80人が19日、中部空港からプノンペンに出発していた。
海外に送り出される「かけ子」 犯罪インフラの解明も焦点
東南アジアの特殊詐欺拠点が摘発され、日本人が移送、逮捕される事件は近年相次ぐ。
今年、ミャンマーの詐欺拠点で「かけ子」をしていたとされる少年や男らが詐欺容疑で逮捕された。2023年にはプノンペンの拠点でかけ子をしたとして25人が詐欺容疑などで逮捕され、19年にはフィリピンで特殊詐欺に関与したとして、日本人36人が現地当局に拘束される事件も起きている。
捜査関係者は、かけ子が集ま…