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パレスチナ自治区ガザのガザ市で2025年7月28日、食料を受け取るために集まるパレスチナの人々=ロイター

 世界食糧計画(WFP)などの国連機関は29日、パレスチナ自治区ガザの広い範囲で、食料不足と栄養失調が深刻化し、「大規模な飢饉(ききん)に陥る瀬戸際になっている」とする報告書を発表した。ガザへの支援物資の搬入はイスラエルによる制限が続いている。

 国連は、今月25日までのガザのデータをもとに、食料危機の程度を5段階で示す「総合的食料安全保障レベル分類(IPC)」の指標に基づく分析を実施した。

 IPCでは、「全世帯の20%が深刻な食料不足に陥っている」ことを、最も深刻な「飢饉」(フェーズ5)に陥ったかを判断するための三つの指標の一つとしている。ガザでは、人口の39%が数日間にわたって食事をとっていないとみられ、基準を大きく超えているという。食料不足については、ガザの人口の約4分の1にあたる50万人以上がすでに飢饉に類する状況にあるとし、今年5月の前回調査から急激に悪化したと指摘した。

 また、飢饉を判断する別の指…

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