パレスチナ自治区ガザの南部ハンユニスで2025年5月24日、医師の子供9人が死亡した現場で、捜索にあたる人たち。ガザの民間防衛隊が公開したビデオから=AP

 パレスチナ自治区ガザの南部ハンユニスで23日、医師の自宅がイスラエル軍に空爆され、子ども10人のうち9人が死亡した。AFP通信などが報じた。残る1人の子どもと父親は重傷を負っているという。

 報道によると、子どもの両親は共に医師で、爆撃の際、母親は職場にいたという。イスラエル軍は医師の自宅を攻撃目標にしたのかについては明らかにしておらず、「周辺は危険な戦闘地域で、民間人の被害については調査中」との声明を発表した。

 ガザでは病院などの被害が後を絶たない。世界保健機関(WHO)によると、ガザ北部の病院が22日に攻撃を受け、医療従事者2人が負傷。22日の発表では、過去1週間に病院などへの攻撃は28件確認されたという。

 ガザ地区にある36病院のうち、稼働しているのは19のみ。主要な4病院も攻撃を受けるなどして業務の停止に追い込まれたとしている。

 人口が200万人以上いるガザ地区で現在、利用可能な病床は2千床ほどしかなく、WHOは「ニーズを到底満たせず、患者は医療へのアクセスを失う。このままでは医療システムを維持できない」としている。

 国際人道法は病院や医療従事者の保護を認め、攻撃を原則禁じているが、英BBCによるとイスラエル軍は多くのケースで「イスラム組織ハマスが不適切に利用していた」と主張しており、ハマス側は否定している。

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