2025年7月10日、パレスチナ自治区ガザ市の病院で燃料危機のために一つの保育器でケアを受ける複数の新生児たち=ロイター

 イスラエルによる攻撃と物資搬入の制限が続くパレスチナ自治区ガザで、燃料不足が人道状況の悪化に拍車をかけている。主要国連機関は12日、「燃料なしには(ガザの)約210万人のライフラインは消滅する。国連機関も全面的な活動停止に追い込まれるだろう」との共同声明を発表し、危機感をあらわにした。

 攻撃はガザ全土で続いており、ガザ保健省によると13日午後までの24時間に130以上が死亡。一昨年10月にガザ侵攻が始まってからの死者数は5万8千人を超えた。

 ガザでは、今年3月に人道物資の搬入が停止され、ガソリンをはじめとする燃料の供給も止まった。国連機関の共同声明は、病院の機能や救急搬送、安全な飲料水の供給、食料の調理、廃棄物の処理など生活のあらゆる部分に燃料不足が打撃を与えていると指摘。9日、130日ぶりに約7万5千リットルの燃料搬入が認められたが「必要な量のほんの一部でしかない」としている。

 共同声明を発表したのは、国…

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