国連のグテーレス事務総長は5日、パレスチナ自治区ガザについて「一般市民も殺されているのに不処罰(impunity)になっている」と述べ、民間人らが殺害されても責任追及がなされない状況が続いていると指摘。安全保障理事会が一致できないことでこの状態が続くとして、「国際法に信頼を置く全ての人にとって非常に大きな不満だ」と遺憾の意を示した。
- 国連安保理、ガザの即時停戦決議案否決 再び米国だけが拒否権を発動
前日に開かれた安保理やガザ情勢への受け止めなどを記者団に問われて述べた。安保理では4日、ガザでの即時停戦などを求める決議案が、イスラエルを支持する米国が拒否権を行使したことで否決された。
国連本部では17~20日、イスラエルと、将来のパレスチナ国家が共存する「2国家解決」を議題とする特別会合が開かれる。
グテーレス氏は、2国家解決の実現を目指すことは「絶対に不可欠だ」とも強調。「他にどんな案があるというのだろうか。パレスチナ人が追放されるか、権利がないまま自らの土地に住み続ける1国家解決だろうか。あり得ない」とも述べ、実現に向けた取り組みは「国際社会の義務だ」と訴えた。