2025年3月27日、パレスチナ自治区ガザ南部のハンユニスで、建物のがれきのそばを歩くパレスチナ人=ロイター

 イスラエル軍によるパレスチナ自治区ガザへの激しい攻撃が続くなか、ガザの人道状況の悪化が深まっている。世界食糧計画(WFP)は27日、ガザの食料は2週間分しかなく、「数十万人が再び深刻な飢餓と栄養失調に陥る危機に直面している」との声明を出した。

 WFPによると、3月2日にイスラエルがガザへの救援物資搬入を止めて以降、ガザ内に備蓄されている食料は5700トンにまで減っている。ガザに必要な食料は1カ月に約3万トンだという。ガザに向けて約8万5千トンの食料がスタンバイしているが、搬入が許可されていない。

 国連人道問題調整事務所(OCHA)によると、イスラエルが攻撃を再開した18日以降、14万人以上が避難を余儀なくされた。医薬品、医療機器、輸血用血液なども払底し、負傷者らの救命活動が難しくなっている。

 国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)のラザリーニ事務局長は27日、「戦争が始まって以来、物資供給が絶たれた状態は最長になった。停戦期間中は1日500~600台のトラックが(ガザに)到着したが、今はまったくない」とX(旧ツイッター)に投稿した。

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