イスラエルのネタニヤフ首相=ロイター

 パレスチナ自治区ガザへの攻撃を続けるイスラエルのネタニヤフ首相は19日のビデオ演説で、ガザ全域の「制圧を目指す」と述べた。イスラエルとイスラム組織ハマスは米国などの仲介で停戦・人質解放交渉を進めている。ネタニヤフ氏は強硬な姿勢を示し、軍事的な圧力を強めることで、ハマスに揺さぶりをかける狙いがあるとみられる。

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 またネタニヤフ氏は19日、国際社会からの批判を受けて、2カ月半以上続けていた人道支援物資の搬入停止について、その一部を解除するとも発表した。

 イスラエルメディアによると、これに対して政権内の極右政党の党首ベングビール国家安全保障相は、「この決定は重大な誤りだ」と反発。食料などがハマスの手に渡るとして、支援を停止するよう改めて求めた。

 戦闘が長期化するガザをめぐっては、米国を含む国際社会が人道状況を懸念する一方で、政権内の極右政党の閣僚らは、戦闘終結を選べば政権離脱も辞さないとして、ネタニヤフ氏に強硬姿勢を維持するよう求めている。

 ガザ保健省によると、19日時点で過去24時間のイスラエルの攻撃による死者は136人、負傷者は364人にのぼる。2023年の戦闘開始からの死者は5万3486人。

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