Smiley face
朝日新聞のインタビューに答えるパレスチナ自治政府のムハンマド・ムスタファ首相=2024年6月30日、パレスチナ自治区ヨルダン川西岸ラマラの首相府、高久潤撮影

 今年3月に就任したパレスチナ自治政府のムハンマド・ムスタファ首相が6月30日、パレスチナ自治区ヨルダン川西岸ラマラの首相府で朝日新聞との単独会見に応じた。戦闘終結後のパレスチナ自治区ガザの統治について「パレスチナ全体で進めなければならない」と述べ、ガザを実効支配するイスラム組織ハマスも関与することが望ましいとの考えを示した。

  • 【そもそも解説】ガザ戦争、なぜ終わらない? 戦況と交渉の現状は
  • 「イスラエルとの和平進めるしかない」 パレスチナ新首相の一問一答

 ムスタファ首相が日本メディアの単独会見に応じるのは初めて。昨年10月の戦闘開始以降、3万7千人超が死亡したガザの復興のため、自治政府トップのアッバス議長は、パレスチナ人のテクノクラート(専門知識をもった官僚)からなる「実務型政府」を組織すると表明。汚職疑惑を再三指摘される組織の刷新のため、欧米やアラブ諸国の経済人との人脈も広く、世界銀行で勤務経験があるムスタファ氏を3月に新内閣を率いる首相兼外相に任命した。統治の実権を握るアッバス氏への国際社会の信頼が低い中、戦闘の「出口戦略」を取り仕切る役割が期待されている。

ハマスのPLO関与を前提

 ムスタファ氏は「実務型政府は、党派の違いを超えて、厳しい状況をパレスチナ人が乗り越えるために存在している」と強調。ハマスが全パレスチナ人を代表するPLO(パレスチナ解放機構)に加わることを前提に、「ガザの戦後統治に関与できる」と語った。現在のイスラエルとの対話は難しいとしつつ、「ネタニヤフ首相がずっとイスラエルの統治を担うわけではない。この地域に必要なのは平和であり、平和共存のためにイスラエルとの交渉は欠かせない」とも述べた。

 ガザの戦後統治をめぐり、イ…

共有
© 2024 Japan Today. 無断転載を禁じます。