イスラエル軍は6日、パレスチナ自治区ガザ中部のヌセイラトにある国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)の学校を空爆したと発表しました。地元当局によると、この空爆で40人が死亡。ガザをめぐって戦闘停止と人質解放に向けた交渉が動き始める中、イスラエルは攻勢を緩めない構えを見せています。
イスラエル軍は、この学校にイスラム組織ハマスの拠点が置かれていたと主張する一方、ガザ当局は、爆撃されたのは避難者らがいた部屋だったとしています。
エルサレムでは5日、イスラエルによる記念行事の際、パレスチナ自治区ヨルダン川西岸の入植者らが地元のアラブ系住民らに暴力を振るうなどし、18人が警察に逮捕されました。この行事は、1967年の第3次中東戦争で、イスラエルが東エルサレムを占領した日に合わせて毎年行われるもので、今回も例年同様、1万人以上が旧市街にあるユダヤ教の聖地「嘆きの壁」まで行進しました。
- 【そもそも解説】中東で何が起きている?イスラエルがイランに攻撃か
- 【一つ前】5月25日~6月6日(日本時間)の動き
■■■2024年6月7日(日本時間)の動き■■■
ガザ戦闘開始から8カ月、死者3万6731人に 民間人の犠牲に歯止めかからず
パレスチナ自治区ガザの保健省は7日、昨年10月以降、ガザで3万6731人のパレスチナ人が死亡したと発表した。7日で戦闘開始から8カ月が経過。民間人の犠牲の拡大に歯止めがかからない中、イスラエルとイスラム組織ハマスの停戦協議の行方も不透明な状況だ。
仲介国カタールの外務省報道官は6日、バイデン米大統領が5月末に公表した新停戦案について、「ハマスからまだ反応を受け取っていない」と語った。イスラエル側もネタニヤフ首相らが不満を示している。
ガザの失業率は約80%に ILO調査「状況はもっと悪い」
国際労働機関(ILO)は7日、パレスチナ自治区ガザの失業率が79.1%に達していると明かした。パレスチナ自治区全域での失業率も50%超に高まっている。
ILOはこの日、イスラム組織ハマスとイスラエル軍の軍事衝突が始まった昨年10月以降で4度目となる、同自治区の雇用への影響に関する調査結果を発表した。ヨルダン川西岸の失業率は約32%だった。
ロイター通信によると、ILOでアラブ地域を担当する責任者は、今回のデータについて「就職を諦めた人は含んでいない」とし、「状況は(調査結果の数値よりも)さらに悪い」と話している。
昨年10月以降の同自治区における実質域内総生産(GDP)の縮小幅は約33%だった。内訳はガザが83.5%で、ヨルダン川西岸も22.7%縮んでいる。
ネタニヤフ首相の米議会演説、7月24日に決定
米共和党の議会指導部は6日、上下両院の合同会議に招待していたイスラエルのネタニヤフ首相による演説が、7月24日に決まったと発表した。
共和党を率いるマコネル上院院内総務とジョンソン下院議長は声明で、今回の演説について「米国とイスラエルの永続的な関係を象徴するものだ」と強調。「民主主義を守り、テロと闘い、公正で永続的な平和を確立するためのビジョンを共有する機会をネタニヤフ首相に提供する」としている。
パレスチナ自治区ガザでの戦闘が長期化するなか、米国ではイスラエルへの見方が割れている。特に民主党では人道的な見地からイスラエルに批判的な見方も強く、議会演説には反発も予想される。
ただし今回のネタニヤフ氏の招待は、共和党と民主党の議会指導部がそろって合意したものだ。上院民主党トップのシューマー院内総務は「私には(ネタニヤフ)首相との間で、明確で深い意見の違いがある。しかし米イスラエル関係は鉄壁で、一個人や首相を超越したものだ」と演説に同意した理由を説明している。
スペイン、国際司法裁の訴訟に参加表明
パレスチナ自治区ガザでの攻…