世界各地の本場の味を、日本のレストランで手軽に楽しめるようになって久しくなりました。未知の料理に舌鼓を打ち、異国の「食文化」に触れる――。社会学と食研究が専門の立命館大学の安井大輔教授は、「食は社会を映す鏡だ」とし、異文化理解につながる可能性を語ります。一方、「ガチグルメ」が注目を集めるなかで、懸念もあるそうです。
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1980年代以降、エスニック料理の流行の波は何度も訪れ、今は多文化を考える入り口となるレストランがいたるところにあります。これは素晴らしい。食べることは異文化に触れる手段の一つだからです。
ただ、食と社会学の研究者として、「食文化」とは奥深いもので、人々の暮らしの連関の中にあり、社会を考えることでもあるということを、もっと伝えたいです。
異文化理解を目的とした事業…