アイスキャンディー「ガリガリ君ソーダ」をかじりながら、家路についた夜のことだ。愛媛県立上浮穴高校2年山本丈琉(たける)さん(16)は、道路脇の水路に光がゆらめくのを目にした。
春休み中の3月31日午後11時過ぎ。場所は、松山市北土居3丁目の南消防署そば。ドラッグストアで買い物を終え、歩いて帰っていたときだ。
いったんは通り過ぎたが、気になって引き返した。目を凝らすと、水路の中に、口の周りに大量の血がついた高齢の男性が立っていた。光の源は男性が手にする懐中電灯。もう一方の手には杖が握られていた。
「大丈夫ですかー」「どうしたんですかー」
山本さんは何度も呼びかけたが、反応はなかった。「とりあえず道路に上がりましょう」と繰り返し声をかけても、やはり返答はなかった。
それでも水路から出るように…