能登半島地震の際、石川県輪島市の小学校に設置されたトイレトレーラー。宮城県気仙沼市から派遣された=2024年1月8日

 内閣府は、災害時に活用可能なキッチンカーやトイレカーといった車両をデータベースに登録する制度を6月1日から始める。被災後の劣悪な環境が災害関連死につながることから、あらかじめ車両を把握し、いち早く被災地に派遣することで生活改善につなげる。

 新たな制度の対象となるのは、自走や牽引(けんいん)で動き、1人1台のベッドや冷暖房を備え避難所として使える車両や、トイレ・食事・洗濯などのサービスを提供できる車両。所有する事業者らは車両の仕様や所在地、車検満了日などの情報を記入して申請し、内閣府が審査して登録する。

 災害発生時は、都道府県などが利用する場所や用途など、現場のニーズと照らし合わせて検索し、派遣を受ける。災害救助法が適用された災害は、費用の9割は国が負担する。

 ベッドや清潔なトイレ、温かい食事は災害関連死を防ぐのに有効とされる。ただ、2024年の能登半島地震では、国や自治体は事前にこれらの車両の所在地や派遣の可否などを把握できておらず、活用にあたって業界団体などへの確認に時間を要したという。今回の制度により、被災自治体が必要な車両を探し、被災地に届くまでの時間短縮が見込めるという。

 坂井学・内閣府特命担当相は30日の記者会見で「車両を所有されている方で、発災時に被災自治体への車両提供にご協力いただける場合は、積極的な登録をお願いしたい」と呼びかけた。

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