ゲームやアニメで親しまれる「ポケットモンスター」の世界に、20人の作家が挑む企画展「ポケモン×工芸展―美とわざの大発見―」が、名古屋市中区の松坂屋美術館で26日から始まる。
1996年発売のシリーズ第1作「赤・緑」の頃からおなじみのポケモンや、最新作「スカーレット・バイオレット」で初登場したポケモンを題材に、その愛らしい姿や繰り出す「わざ」を、陶芸や染織、インスタレーションなどで表現。約80点が並ぶ。
彫金家の吉田泰一郎さんは、人間によって改造された複雑な遺伝子をもつ「ミュウツー」の力強い立ち姿を、繊細な金属パーツ約2万点を組み合わせて再現。須藤玲子さんの「ピカチュウの森」は、空間を埋め尽くすレースの模様ひとつひとつがピカチュウのシルエットになっている。愛知県豊田市出身の新実広記さんは、こおりタイプのわざ「つららおとし」の激しさと美しさを、鋭く切り出されたガラス細工で表現した。
25日の先行鑑賞会に訪れた千葉県の黒川詩緒(しおり)さん(38)は、東京造形大時代に織物デザインを専攻しており、須藤さんの教え子だったという。「ポケモンも、『赤・緑』を発売日に自転車で買いに行ったくらい好き。須藤先生の作品は幻想的で、世界観に圧倒された」。名古屋市の和田ゆずかさん(30)と悠星さん(6)の親子は、「ひとつの作品の中にたくさんのポケモンがいて、探すのが楽しかった」と声をはずませた。
6月15日までの午前10時~午後6時(最終入館は午後5時半)。当日券は一般1700円、高校・大学生1100円、小中学生600円、未就学児は無料。詳細は同館ホームページ(https://www.matsuzakaya.co.jp/nagoya/museum/exhibition/2025_pokemonkogei/