キューバの首都ハバナで2024年12月、米の経済封鎖などに抗議するキューバ軍の兵士ら=AP

 バイデン米政権は14日、カリブ海の社会主義国キューバに対するテロ支援国家指定を解除する意向を議会に通告した。米国による長年の経済封鎖で疲弊するキューバは歓迎の意向を示し、政治犯とみられる553人の囚人を釈放すると応じた。だが、20日に就任が迫るトランプ次期米大統領は対キューバに強硬で、猛反発が予想される。

  • 3年間で100万人、キューバで過去最大規模の「亡命ラッシュ」

 ホワイトハウスは声明で指定解除の理由として①キューバ政府が過去半年以内に国際テロを支援していない②将来的にテロを支援しないと確約した、ことを挙げた。米政府高官は記者団に「キューバがテロ支援国家だと判断する情報はない」と述べた。

キューバ政府「正しい方向」と歓迎

 米国は1982年、キューバをテロ支援国家に指定した。だがオバマ政権が、キューバを国際社会で孤立させる政策は「時代遅れ」として、2015年5月に解除。同年7月には54年ぶりに国交を回復させ、キューバ革命以来、半世紀以上対立してきた両国関係は大きく改善した。

 これに対し17年に発足したトランプ政権は、オバマ氏のレガシー(政治的遺産)を否定する狙いで、強硬路線にかじを切った。米国人の渡航を制限したり米国からの送金を規制したりするなどして、経済制裁を強化。バイデン氏に政権交代する直前の21年1月、テロ支援国家に再指定した。キューバ以外には、北朝鮮、イラン、シリアを指定している。

 キューバ政府は今回の指定解…

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