キリンビールが昨年4月に発売したビール「晴れ風」の販売が好調だ。中価格帯の定番商品としては17年ぶりの新作。明るい青緑色の缶が目を引き、苦みや酸味を抑えた飲みやすさが若年層を中心に人気という。同社は「一番搾り」と並ぶ主力商品に育てたい考えだ。

キリンビールの「晴れ風」の新CM発表会で、出演者として登壇した(左から)今田美桜さん、内村光良さん、天海祐希さん、目黒蓮さん=2025年2月6日、東京・虎ノ門

 晴れ風の昨年12月までの販売量は、当初の目標を3割上回った。ヒットを祝って俳優の今田美桜さんらがくす玉を割る新CMが制作され、6日に東京都内で発表会があった。

 晴れ風の原料は、麦芽と日本産のホップだけ。副原料を使わず、麦のうまみを丁寧に引き出した。さらに仕込みや発酵の工程を工夫し、苦みや酸味を抑えたという。同社の今村恵三・執行役員はヒットの理由について「飲みごたえと飲みやすさを両立した味への満足感が非常に大きい」と話す。

 若者らを中心にビール離れが進んできたが、2020~26年にビールにかかる酒税が段階的に減ることを好機とみて、大手各社は売り込みを強化している。23年4月にはサントリーが「ザ・モルツ」に代わる定番商品「サントリー生ビール」を発売し、同年中に399万ケースを売った。

 晴れ風は昨年、それを大きく上回る約580万ケースを売り、一番搾り(2440万ケース)の4分の1の規模となった。今年は飲食店への卸売りも始め、約670万ケースの販売をめざす。

商品開発は若手社員「特徴がないことを特徴に」

 「晴れ風」の企画がキリンビ…

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