Smiley face

 夏休み映画興行は予想通り「劇場版『鬼滅の刃』無限城編 第一章 猗窩座再来」が独走してますね。でも155分は長かった。めまいがするほど没入感のある精細で広大なCG無限城、スピードとケレンに満ちたバトルといったキレキレの映像はスゴいんですが、それに比して敵側の浪花節的な回想ドラマが私には古臭くてまどろっこしいのでひどく長く感じました。原作通りとは言え「長屋で伏せっているおとっつぁんの薬代が(涙)」というのは私の子どもの頃はパロディーギャグでしたが、あぁ時代は一回り――じゃなかった50年くらい前だから四回りか……(涙)。

 最大の対抗馬と目するのは8月8日公開「ジュラシック・ワールド/復活の大地」。スピルバーグ作品への愛がこもったスリルとスペクタクルが大盛りで興奮必至です。対する邦画は、公開中の「事故物件ゾク 恐い間取り」と8月8日公開の「近畿地方のある場所について」という不動産ホラー(?)2連発。ネタはベタですが映画館の暗闇でジーッと見てるとジワジワ来ますよ。

写真・図版
「星つなぎのエリオ」 ©2025 Disney/Pixar. All Rights Reserved.

 さてそんな中に埋もれてほしくないのが米ピクサー最新作アニメ「星つなぎのエリオ」(8月1日公開)。宇宙が舞台の映像は華やか、友情×親子のドラマは感動的、「リーダーシップ」と「有害な男らしさ」というテーマは今日的。3人の共同監督のうちマデリーン・シャラフィアンさんとドミー・シーさん、そしてプロデューサーのメアリー・アリス・ドラムさんという3人の女性にインタビューしました。

 主人公は宇宙が大好きな少年エリオ。両親を事故で亡くしたばかりで、引き取ってくれた叔母オルガの重荷になっていると感じ、地球に自分の居場所はないと絶望している彼の唯一の希望は「宇宙人に誘拐されること」。星々の代表が集う「コミュニバース」からの通信にたまたま応じたことからその夢がかなうが、何とエイリアンの大使たちによって、地球代表のリーダーだと誤解される。送還されたくないエリオは、好戦的な種族を率いるグライゴンとの和平交渉を買って出るが……。

 シー監督「ピクサーでは監督がピッチ(企画の簡潔なプレゼン)をして映画が動き出す。マデリーンが『世界一変わり者の男の子が地球を代表するリーダーになる』とストーリーを説明したら、みんなが『面白い!』となりました」

 グライゴンは「加盟を認めな…

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