現役時代の中竹一刀さん
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 「このままだと死ぬか、刑務所に入るか」。元キックボクサーの中竹一刀さん(40)はギャンブル依存症に苦しみました。有名な格闘技団体の王者はどうギャンブルにはまっていったのか。ギャンブルとスポーツとの距離の近さについても、その実態を聞きました。

会長の貴金属を質屋に、教え子の親に借金も

 ギャンブルにはまり出したのは、高校生の頃です。最初は友達とのパチンコ。友達に付いていって、仲間外れにされたくなくて、一緒に打つようになりました。非行に走って、親に高校を退学させられてからも、バイトしながらパチスロをずっとやっていました。

 乱れた生活を見かねた親が、小学生時代に通っていた空手道場の館長に僕を預けました。19歳のときです。まもなく道場に住み込むようになり、格闘技に懸命に取り組みました。パチスロをやることもありましたけど、のめり込むほどではありませんでした。28歳で、「RISE」というキックボクシングの大会でチャンピオンになりました。

 その後、試合で右腕の尺骨が折れて、なかなか完治しない時期がありました。ギプス生活を繰り返して、手術もしました。ストレスもあり、毎日朝から晩までパチスロばかりしていました。道場の後輩からも50万円くらい借りました。ここからギャンブルが加速しました。

 お世話になった道場とはけん…

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