全国でクマによる被害が相次ぐ中、新学期を迎えた学校は子どもの安全を守るために対応を迫られている。今月に入り、帰宅途中の高校生がクマに襲われる事故も発生。専門家は踏み込んだ対策の必要性を指摘する。
岩手県のJR盛岡駅から十数キロ離れた滝沢市立一本木中学校で8月18日午前8時ごろ、校舎にクマが侵入した。体長は約60センチ。最初は夏休み中の部活動で来ていた生徒が敷地内の玄関付近を歩くクマを発見した。
「クマが敷地内にいます」
伊藤伸(しん)副校長(53)は、職員室に駆け込んできた生徒の報告を聞き、急いで玄関付近に向かった。現場に着くと、換気のために開いていた非常口から校舎に侵入したクマと約3メートルの距離で鉢合わせた。
目が合った3秒間、「とっさに生徒の安全を」
クマと目が合い、約3秒間見…