地元警察や市町村の支援体制が整わない支部は、ヒグマの駆除要請に応じなくても構わない――。25日に北海道猟友会が開いた三役会で、今後の方針が固まった。道内の猟友会は71支部。それぞれの判断を尊重するという。駆除のあり方については、市から要請を受けて駆除した男性の銃の所持許可が取り消されるなど猟友会から不満の声が挙がっていた。
支部によっては、日頃から関係機関と訓練を積み、いざ出動する時の流れを事前に確認している。11日にあった訓練は、札幌市と北広島市の境界付近の市街地周辺にクマが出没したと想定。猟友会と、道や市、警察署の関係者ら約50人が参加した。
クマ駆除の要請は自治体ごとに猟友会に頼むため、市町村の境界をまたいで出没するクマへの対応は混乱することも多いという。
訓練では、ヒグマの出没を覚知した後、情報共有や周辺住民の安全確保の順番を確認。鳥獣保護管理法などの法律とすりあわせて、現場での発砲に問題がないかを整理した。
猟友会のハンターが山林に入る。基本、自治体の担当者は安全な場所で、ハンターとはトランシーバーなどでやりとりする。射撃態勢を双方で確認し、発砲した。
道猟友会札幌支部の玉木康雄・ヒグマ防除隊隊長は「トリガーを引くのは一瞬だが、そこに至るには安全確保などたくさんの方々のお膳立てがあって現場に向かえる。きちんとした意思疎通と信頼関係の構築が必須だ」と話す。
道の担当者は「市町村の境界で行動するクマを念頭に、訓練や協議を普段からして、必要があれば自治体をまたぐ駆除隊の結成など工夫をしてほしい」と話した。
狩猟と有害鳥獣駆除の違いは?(古畑航希)
道内の猟友会には約5400…