ピカピカのホルン2本を前に、感謝のメッセージを掲げて喜ぶ生駒市立俵口小吹奏楽部の児童たち=2025年3月20日、奈良県生駒市俵口町、伊藤誠撮影

 子どもたちが使う老朽化した楽器を新しくできればと、奈良県生駒市立俵口小学校の吹奏楽部保護者会が購入資金集めで実施していたクラウドファンディング(CF)が今月、目標額を達成した。寄せられた寄付は120人から計157万9千円。さっそく購入した新品のホルン2本が部に引き渡され、児童たちは大喜びしていた。

 CFは今年1月16日、100万円を目標にスタート。保護者会メンバーたちは、友人や知人だけでなく、近鉄生駒駅前や校区内でチラシを配るなどして協力を呼びかけた。

 目標を達成したのは2月19日。保護者代表の津田茜さん(45)は、スマートフォンで確認した瞬間、「手が震えました」。

 締め切りの3月16日まではあと約1カ月もある。それならばと、目標額を151万円にアップして呼びかけを続けた結果、これもクリアした。

 「少しでも貢献できれば」「孫から話を聞いた」「頑張って」など応援コメントも多数寄せられ、高知や千葉、神奈川など遠方からの寄付もあった。フルートの購入も予定していたが、事情を知った人が中古を譲ってくれた。

 20日朝、練習の前に部顧問の山本浩司教諭(49)がホルンを披露。児童たちは歓声を上げた。ホルン担当のリーダーで5年の奥田希(のぞみ)さん(11)は、「(使っていたホルンは)壊れていたのでとてもうれしい。感謝の気持ちでいっぱいです」と笑顔を見せた。古いホルンも予備として保管するという。

 更新したい楽器はほかにも多数あり、保護者会は工夫を凝らしてのCF再挑戦や部費の積み立てなど、費用を準備する様々な手法を検討中だ。

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