4人組ロックバンド「クリープハイプ」は、いまのメンバーで活動を始めて15年が経った。ボーカル・ギターの尾崎世界観さん(40)は、小説家としても活躍の幅を広げている。そんな尾崎さんが「学校の先生」と表現する舞台がある。ステージへの思い、音楽への思いを聞いた。
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ひたちなかに戻って感じた二つの思い
茨城県ひたちなか市でロッキンが開催されなくなったのはすごく残念で、いつ戻るのかずっと気にしていました。
2024年、久々に戻ってきて、会場の広い景色を見た瞬間、自分の中に染みついていた記憶がだんだんよみがえってきました。そして、ステージにあがると同時にそれがピークに達しました。
ひたちなかのあの会場は懐かしさと新鮮さがあり、どこか不思議でした。帰ってきたという気持ちと、まず蘇我(千葉市)のロッキンという家があって、そこから旅行に行くような気持ちの両方がありました。蘇我のロッキンに自分自身もすでに慣れていたので。ひたちなかは12年から8回、蘇我は3回、これまで出演しました。
ひたちなかのステージにあがり、こう語りました。
「ロッキンは学校の先生みたいで、今までいろんなことを教えてくれました。今日は久しぶりに、先生に成長した姿を見せるような気持ちです」
後半では、尾崎さんが「ロックとは」という問いに対し、色紙に書いて答えます。
勘違いを正してくれる場
フェスには、(他のアーティストを目当てに来る人もいるので)ワンマンライブよりお客さんが集まります。それだけでもう、何かうまくやれているような気がするんです。
でも、何万人も収容できるひ…