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ウェブ投票の結果を基に塗り替える色を決める月見橋。サビや塗装のはがれが目立つ=岡山市北区
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 岡山市の2大観光地、岡山城と岡山後楽園をつなぐ「月見橋」は、旭川にかかる自転車・歩行者専用の橋。近年塗装のはがれやさびが目立つようになり、市は今年度、塗り替え工事に着手する。色については景観と調和する6色を候補とし、ホームページ上で「人気投票」を始めた。

 月見橋は1954年建設で、全長116メートル、幅3メートル。岡山城が立つ烏城(うじょう)公園で同年あった「岡山産業観光大博覧会」の開催に合わせて取り付けられた。架橋前は、目と鼻の先にある後楽園に行くには約700メートル離れた鶴見橋を渡る必要があった。アクセス向上に一役買った架け橋だ。

 橋の完成前の52年、後楽園は国の特別名勝に指定された。空襲で焼失した岡山城の再建は66年。旭川を加え、月見橋は岡山随一の景観形成を演出する鉄橋となった。

 月見橋自体は薄いグレーに塗られ、岡山城(黒)や後楽園(緑)を邪魔しないためか自己主張が少ない。過去に3回塗り替えはあったというが、風雨にさらされて塗装のはがれとさびの発生が激しい。2023年の定期点検では鋼材の腐食が確認された。通行に支障ないというが、長寿命化を図るため塗り替えを決めた。

 色の候補は、現在と同じグレー系▽岡山城と調和した黒系▽後楽園の木々に合った緑系▽旭川や青空と合う青系▽穏やかで自然な茶系▽周辺と対比させた赤系、の6色。市ホームページで5月7日まで投票を受け付けている。

 投票結果を基に、市の選定委員会で決定。12月ごろから塗り替えを始める。期間中も通行は可能で、26年度末には完了するとしている。

 大森雅夫市長は8日の会見で、月見橋について「一帯の景観の重要な要素だが、近代的な外観は景観にそぐわないのではとの指摘が建設当初からあった」と説明。「市民や利用者の意見を聞き、より親しみやすい橋になれば」と話した。

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