グーグルのロゴ=2025年5月、米カリフォルニア州マウンテンビュー、奈良部健撮影

 インターネット検索市場で米グーグルが持つ支配力の是正措置を、米連邦地裁が2日、発表した。グーグルに事業売却まで求めなかったが、検索データを競合他社に共有するよう命じた。背景には、裁判の「本丸」がAI(人工知能)の覇権争いを見据えた議論へと移ったことがある。

 今回の裁判は、グーグルが検索市場であまりにも大きな力を持ったため、他社サービスが育たない問題があるとして、米司法省などが訴えた。

 裁判所は、その支配力を「独占」として違法性を認めたが、今回、米司法省が求める閲覧ソフト「クローム」の売却命令は見送った。検索や閲覧ソフトや自社開発の生成AI「ジェミニ」などのサービスを組み合わせ、消費者や顧客企業を囲い込むことを禁じる是正措置にとどめた。

 一方で、注目されたのが検索で得られたデータなどの他社への開放を求めたことだ。裁判所は2日に発表した是正措置を記した文書の冒頭で、こう述べた。

 「生成AIの台頭が本件の進路を変えた」

 裁判所は審理の途中から、検…

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