小泉進次郎農林水産相は16日、毎年のコメの作柄を示す作況指数の公表を廃止すると明らかにした。
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作況指数はその年のコメの良否を表す指標で、農水省が毎年10月中旬、11月中旬および12月上旬ごろに公表している。過去30年のトレンドを踏まえ、指標を算出しているが、東北地方では冷害の発生が減るなど生産現場の実態とは合わなくなったという。
昨年の全国の作況指数は101と平年並み。コメの生産量は679万トンで、2023年産と比べて18万トン多かった。昨年夏にスーパーの棚からコメが消え、農水省は統計データをもとに新米が出回る秋になれば、流通は落ち着くと繰り返し説明していたが、コメの不足感は解消されていない。
価格の高止まりも続き、コメの生産者や卸業者からは、統計で発表された収穫量や作況指数の不正確さが問題の根底にあるとの指摘が出ていた。
小泉氏は今後のコメの収量の把握について、「人工衛星や人工知能(AI)などの最新の技術も活用しながら、精度を向上させて、農業政策の新たな基盤を確立していきたい」と述べた。