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 昨夏から加速したコメ価格の高騰について、政府は5日の関係閣僚会議で、「生産量の不足」が主因だったとする検証結果を示した。これまでの「流通の目詰まり」とする分析が誤っていたことを事実上認めた。石破茂首相はこれを踏まえ、コメの値崩れを防ぐために生産量を抑えてきた「事実上の減反政策」を見直し、増産にかじを切る方針を改めて表明した。

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 関係閣僚会議は3回目。農林水産省がコメの高騰の要因と対応策を自ら検証した結果を報告した。需要面で家計の動向や訪日客の影響について把握しきれず、供給面も精米での評価が不十分だったと指摘。その結果、生産量が足りていると判断していたという。また、業者が抱える在庫の状態も見誤り、備蓄米の放出の時期や方法が適切でなかったとした。

 首相は「生産量に不足があったことを真摯(しんし)に受け止める」と述べた。今後の政策の方向性として、①増産②耕作放棄地の拡大防止③輸出の抜本的拡大を表明。2027年度からの水田政策の見直しに向け、「コメをつくるな、ではなく、生産性向上にとりくむ農業者が増産に前向きにとりくめる支援に転換する」と明言した。

写真・図版
コメの安定供給等実現関係閣僚会議に臨む石破茂首相(中央)。左は小泉進次郎農水相=2025年8月5日午後4時27分、首相官邸、岩下毅撮影

 首相は6月上旬にあった初回…

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