保管倉庫から搬出される備蓄米=2025年3月18日午前9時34分、埼玉県内、杜宇萱撮影

 4月21~27日に全国のスーパー約1千店で売られたコメ5キロの平均価格は税込み4233円で、前の週より12円(0.3%)高く、17週連続で上昇した。農林水産省は備蓄米の流通が4月後半から本格化したとみているが、米価の下落にはつながっていない。

  • 【そもそも解説】政府が放出する備蓄米とは 米価格、どう決まる?
  • 【動画】コメ高騰が止まらない…政府放出の備蓄米って何?

 農水省が調査会社のデータをもとに平均価格を算出し、今月7日に公表した。上昇率は前の週の0.1%より拡大した。前年同期の価格(2088円)と比べると、2倍超の水準が続いている。

 農水省は米価高騰の背景に流通の目詰まりがあるとみて、備蓄米の放出を進める方針を2月7日に表明。安価なコメが大量に出回るとの見方が広がれば、流通業者が多めに持っている在庫を手放すようになり、価格が下がると期待した。

 だが、逆に価格は上昇した。農水省は3月に2回の入札で約21万トンを放出したのに続き、4月上旬には10万トンの追加放出と、今夏まで毎月出す方針も打ち出した。それでも価格は下がらず、流通業者の間では「どこかにコメの在庫がたまっているのではなく、そもそも供給量が不足している」(卸売会社)との見方も出ている。

 放出された備蓄米は、3月下…

共有
Exit mobile version