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 歴史的なコメ価格の高騰を受け、石破茂首相が政策の失敗を認めた。実質的に続いてきた「減反」に終止符を打つべく、コメの増産にかじを切る意向も改めて示したが、課題は多い。

 政府は1970年代からコメの生産量を調整する減反を本格化させた。2018年に廃止したが、その後も補助金を出すなどして転作を促し、事実上の減反政策を維持してきたとされる。

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参院予算委で、参政党の神谷宗幣代表の質問を聞く石破茂首相=2025年8月5日午前11時35分、岩下毅撮影

 首相はコメの増産がもともと持論だ。半世紀にわたるコメ政策の転換ができれば、歴史的な成果だと誇ることもできる。首相は7月28日、退陣論が渦巻く自民党の両院議員懇談会で「コメの増産や農家の所得がどうなっていくのか、私どもは責任を持たねばならない」と述べ、続投の理由の一つに挙げていた。

 首相は今月5日にあったコメの関係閣僚会議で、増産に向けた具体策にも触れた。農業経営の大規模化の推進に加え、そうした生産性の向上や、環境への配慮に取り組む農家への支援などだ。コメ余りによる値崩れで農家の収入が下がった場合の対応も念頭にありそうだ。ただ、幅広い農家を一律に支えることは否定的とみられる。

「農林族」との調整も

 国会で少数与党の石破政権は…

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