国内のコメ価格の高騰や品薄感を受け、高関税が課される主食用米の輸入が急激に伸びている。貿易統計によると、2024年度の民間輸入は約3千トンと、データがある2000年度以降で過去最多となった。さらに4月の輸入量は約6800トンとすでに24年度分の2倍を超え、米国産が大半を占めている。
- 急増する米国産コメの輸入、月平均の80倍 焼き肉や牛丼店で続々
コメの輸入を巡っては、政府は無関税で受け入れる最低枠「ミニマム・アクセス(MA)」を設け、年間約77万トンを輸入する。うち最大10万トンが主食用に回るほか、民間会社がこの枠外で輸入するコメには1キロあたり341円の関税を課す。急拡大しているのは、この枠外の輸入だ。
朝日新聞が財務省貿易統計をもとに算出すると、23年度の民間輸入は730トンだったが、24年度は3011トンと急増した。月別でみると、今年1~2月は月間400トンを超え、3月には約1300トンと急増。4月は昨年の月平均の約80倍の6838トンで、うち8割は米国で、インド、タイ、ベトナムと続いた。
「食料安全保障で大きな岐路」
主食用米の国内需要全体(約…