新型コロナウイルスに家族が感染した際に子どもを一時保護する滋賀県の事業で、1年間にわたり実際の利用者がいなかったのに県青年会館(大津市唐橋町)に対して県が約1100万円を支払ったのは違法だとして、「県市民オンブズマン」(浅井秀明代表)のメンバーが県監査委員に住民監査請求をした。三日月大造知事と担当責任者に支払いを勧告するよう求めている。
住民監査請求は3月21日付で、県監査委員事務局は4月3日、請求を受理したと発表した。監査結果は来月20日までに出るという。
請求書などによると、新型コロナで親が入院した場合に子どもを一時保護するため、県は2020~22年度に会館の客室5室と会議室1室の計6室を借りた。22年度は利用者がいなかったが、1年間の賃料1095万円を支払ったという。県こども若者部によると、20年度は3人のべ8日間、21年度は7人のべ20日間の利用があったという。
請求した浅井代表は「1年間借り上げて全額支払うという契約はおかしい。前年度の実績をみれば、必要になった時に予約するなど契約を見直すべきだった」と主張。三日月知事と当時の子ども・青少年局長に1095万円の損害を賠償させるよう求めている。
県の担当者は「いつ何時感染するか分からず、セーフティーネットとしていつでも受け入れられるように1年間契約する必要があった。感染状況が読めず解約の判断ができなかった」と説明。会議室については「子どもをケアする職員の控室として必要だった」としている。
意見陳述は、11日午後2時から県庁東館の監査執行室で開かれる。