新型コロナウイルスのワクチンを充てんする医療従事者=2021年7月13日午後、千葉県鎌ケ谷市の病院、関田航撮影

 「新型コロナのワクチンの有効性データは捏造(ねつぞう)されている」などといった情報の影響がなければ、死者数を減らすことができた――。ワクチンに関する誤情報について研究している東京大と東北大のチームが、こんな研究成果を国際科学誌に発表した。

 東大新世代感染症センターの古瀬祐気教授(感染症学)と東北大の田淵貴大准教授(公衆衛生学)の研究チームが、新型コロナのワクチン接種が始まった2021年に約3万人を対象にオンラインで実施されたアンケートを元に、数理モデルを用いたシミュレーションで解析した。

「431人の死」防げた計算

 アンケートでは、「ワクチンの安全性のデータは捏造されている」「製薬会社はワクチンの安全性についての懸念を隠蔽(いんぺい)している」「政府は予防接種と自閉症の因果関係を隠している」など、七つの誤情報について信じているかどうかを聞いた。一つでも信じていると答えた人は、ワクチンを接種しないと決めた「忌避者」では36.6%に上った。ワクチン接種済みや接種予定の「受容者」では8.5%だった。

 研究チームの推定では、20…

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