公正取引委員会は30日、青森市が発注した新型コロナウイルス感染者の移送業務の入札をめぐり、旅行大手5社が独占禁止法違反(不当な取引制限)に当たる談合をしていたとして、うち4社に排除措置命令を出し、発表した。新型コロナ関連事業に絡む独禁法違反の認定は初。また公取委は、市側にも談合を招きかねない不適切な対応があったとして改善を求めた。
大手5社は、近畿日本ツーリスト▽JTB▽東武トップツアーズ▽日本旅行東北▽名鉄観光サービス。うち近ツーは違反を事前に公取委に申請する課徴金減免制度を活用したため、処分対象から外れた。
発表によると、談合があったのは、2022年度に青森市が発注したコロナ患者を自宅から病院や医療機関に移送する委託業務の入札。5社の青森支店の支店長級の社員らは、事前にメールなどで連絡を取り合い、落札額を調整していた。談合の対象となった5回の入札の合計落札額は約3200万円だった。
青森市側が談合を誘発した恐れも指摘
入札には近ツーとJTB、日…