カンサイのカイシャ ここがオモロイ!

 「不動産屋さんですよね?」。よく言われるそうです。「まちづくり」で人の流れを変える――。不動産業としてごく自然な考え方ですが、「斑鳩産業」はちょっと違います。コロナ禍による観光客の激減に危機感を抱き、「観光振興」に突き進み始めました。

「奈良斑鳩ツーリズム Waikaru」前で、斑鳩産業の井上雅仁社長(右から3人目)とまちづくり事業部のみなさん。周遊用の三輪自動車「トゥクトゥク」やバギーがある=2025年3月11日、奈良県斑鳩町法隆寺東1丁目、伊藤誠撮影

 世界遺産・法隆寺から約500メートル東の国道25号沿いに、「奈良斑鳩ツーリズム Waikaru」がある。社長の井上雅仁さん(53)が、3代目を継いで6年後の2019年に開いた観光案内所だ。

 法隆寺近くの古民家や空き店舗を買い取って和カフェやイタリアンの店、一棟貸しの宿などを開業。インバウンド向けに茶道や華道などの体験プランなども提供し、長く滞在してもらう「着地型観光」の地固めを進めてきた。

 こうしたソフト面での「まちづくり」の重要性は、隣の大和郡山市で10年間、市職員として積んだ経験で学んだ。主に区画整理事業を担当し、新施設の整備が進むにつれて人が集まってくる様子を目の当たりにした。

首長に直談判

 「地域のために」という気持…

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