新型コロナウイルス流行時に大学は閉鎖され、リアル(対面)での交流が難しく、オンラインでの交流が進められた。学生たちの孤独感を減らすことが期待されたが、さほど効果がなかったかもしれない――。そんな結果を同志社大などの研究チームが専門誌に発表した。
2022年4~7月に全国60大学の約5千人の学生に15項目を質問した。友だちの数や、クラブ活動やアルバイトの有無、授業の参加状況、支援を受けている人の数、リアルとオンラインでの家族や友だちとの交流頻度、主観的な健康状態や孤独感の度合いなどだ。
年齢や性別、学年のデータを加えた18項目で、期間中に大学が閉鎖されていた場合と開かれていた場合にわけ相関関係を解析。そのうえで、どんな仕組みが孤独感につながるのか、コンピューターでシミュレーションを1万回繰り返し、可能性が高い関係性を取り出した。
その結果、大学が開かれていた学生では、オンラインによる友だちとの交流が孤独感の低減に直接につながっていた。他人からの支援も受けやすくなり、さらに孤独感の低減につながっていると分析された。アルバイトやクラブ活動をしている学生が、オンラインでの交流も増やす傾向が見られた。
一方、大学が閉鎖されていた…