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モルヌピラビル(一般名・ラゲブリオ)=2022年1月18日、市野塊撮影
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 新型コロナウイルス感染症の治療薬として使われている「ラゲブリオ(一般名・モルヌピラビル)」の薬価について、厚生労働省は10日の中央社会保険医療協議会(中医協=厚労相の諮問機関)で、費用対効果の分析を踏まえ、7月から引き下げることを決めた。

 日本の薬価制度では、市場規模が大きい、または単価が高い医薬品は、国立の研究施設などで効果が検証され、薬価が調整される仕組みになっている。今回の検証では、ラゲブリオを使った人と、抗ウイルス剤などを使わない対症療法のみの人を比べた。その結果、入院や死亡のリスクは同等で、治療にかかる費用が増加する、と評価された。

 これを受けて中医協は、1回の治療で9万4312円かかっていたラゲブリオの薬価を、7月1日から8万6596円に引き下げることを了承した。

 ラゲブリオは、米メルク社が新型コロナウイルスの飲み薬として開発。国内では2021年12月に製造販売が特例承認された。18歳以上で、高齢や基礎疾患があるなど重症化リスクが高い、軽症から中等症の患者を対象に投与される。(吉備彩日)

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