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8団体が公表した声明文の一部

 美術コンクールに応募したら、作品の著作権は主催者に譲渡し、作品も返却してもらえない。時には、作者の意に反した改変も受け入れなければならない――。よく見られるそうしたコンクールの規定は「不適切」だとする声明を、美術分野の8団体が14日、発表した。

 声明を出したのは日本美術著作権連合、日本美術家連盟や、日本児童出版美術家連盟など、美術分野の一般社団法人8団体。

 日本美術著作権連合によると、美術などのコンクールの応募要領の中には、応募作や入選作の著作権を主催者に譲渡させる、といった文言が散見されるという。また、作者の意に反した改変がされないことなどを求める「著作者人格権」を行使しないことを約束させたり、応募作品をコンクール終了後も返却しない、としていたりする事例も見られるという。

 声明は、著作権を譲渡すると、その後、自身の作品をホームページに載せたり、作品集を出版したりする際にも主催者の許諾が必要になることなどを指摘。こうした規定は、「不要であり、不適切」だとしている。

 日本美術著作権連合事務局の担当者は「慣行として、あまり考えずに以前からの規定を使い続けているケースも多いと思うが、コンクールの主催者は著作者の権利について、いま一度よく考えてほしい」と話す。

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