減塩し、野菜はたっぷり、バランスのよい食事を――。日常生活で健康によいための食事を続けることは、分かっていても難しい。
この難題のヒントとなる論文が2021年と24年に発表された。コンビニ商品の陳列や構成を変えただけで、利用者の食事バランスがよくなった、というのだ。
執筆の中心は、当時女子栄養大院生だった川畑輝子さん。東京都台東区の台東病院内のコンビニで、19年4月から商品陳列に変化を加えた。主な変更点は、陳列する加糖飲料と無糖飲料の比率を7:3から4:6に▽無糖飲料を手に取りやすい場所に陳列▽「パスタ・サラダ・バナナ」など主食・主菜・副菜のバランスに配慮した組み合わせを一つのトレーにまとめ、約2割引きでセット販売▽カップ麺コーナーでは食塩含有量の少ない商品を増やしたうえで、少ない順に取りやすい高さに陳列し、食塩量をポップで示す、などだ。変更前のカップ麺コーナーは食塩含有量が5g以上の商品が8割超だったが、変更後は5g未満の商品で8割近くを占めるようにした。
■売り上げも増えた…