安次富順子さんが調理した「クーブイリチー」=2025年3月10日午後2時14分、那覇市、山本智之撮影

 コンブ(昆布)は冷たい海に生える海藻で、温暖な沖縄には分布しません。ところが、沖縄の食文化には欠かせない食材となっており、昆布を材料とする「クーブイリチー」は代表的な郷土料理の一つです。その歴史的な背景を探りました。

 「古代の日本では、昆布とは、そのままかんで味を楽しむものだった。だしを取って利用するのが一般的になったのは、室町時代のころからです」。原田信男・国士舘大学名誉教授(生活文化史)はそう語る。

「北前船」が運んだ昆布は海の向こうに

 江戸時代に入り「北前船」が活躍するようになると、流通はさらに盛んになった。

 昆布などの物資を積んだ北前船は、日本海の各地に寄港し、近畿地方へと運んだ。

 国内で広く流通するようにな…

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